こんにちは、あだハンです。
今回の記事は、ツーリング先でパンクしてしまった場合の対処法、事前の備えについてご紹介していきます。
- パンクの原因
- パンクした場合の対処法
- リアタイヤ交換に必要な工具やパーツ(ハンターカブ)
バイクでツーリングに出かければ、パンクのリスクは誰にでもあります。
走行中に激しいパンクをすれば、車体バランスを崩して大事故にも繋がりかねません。
楽しいツーリングが悲しい出来事になってしまわないように、日頃からの備えは重要です。
パンクの正しい対処法を身につけておけば、ツーリング中にパンクしたとしてもスムーズに対処ができて、ツーリングを続けることもできるようになります。
特にロングツーリングをする人は、パンクへの対処方法はしっかり身につけておくべき。
詳しく解説していきます。ロードサービスについても最後にご紹介します。
この記事を出した後、実は私もパンクに見舞われました…
その時の様子をYoutubeにアップしていますのでよかったら合わせてご覧ください。
パンクの原因
まず初めに、パンクの原因について解説していきます。
- 路面の異物
- タイヤの劣化
- 過積載
- タイヤの空気圧の不適切な管理
路面の異物
タイヤが路面の異物に激しく乗り上げたりすることで、タイヤに穴が開いたり、タイヤが破れたりすることがあります。
ガラスや釘などの細かい異物は、タイヤの表面に刺さることでタイヤ内部のチューブを破裂させることもあります。
タイヤの劣化
タイヤが劣化するとタイヤ自体が弱くなり、パンクしやすくなります。
タイヤの溝が減っていたりタイヤのゴムが硬化していたりすると、タイヤの強度が低下しパンクのリスクが高まります。
スリップサインが出ているようなタイヤはすぐに交換が必要です。
過積載
タイヤに許容重量以上の荷重をかけることで、タイヤに負荷がかかり、パンクのリスクが高まります。
過積載だとタイヤが変形したり、タイヤの偏摩耗が進んだりすることでタイヤの寿命が短くなり、パンクのリスクが高くなります。
特にキャンプツーリングでは荷物の重量が重く、ハンターカブのようにリアキャリアが大きなバイクではホムセン箱のような大型の荷物も運べてしまうため、積載量には注意が必要です。
私も以前、キャンプギアを全部載せてからいざ出発しようとして、センタースタンドを畳んだ瞬間にタイヤがバーストした苦い経験があります。
バイクのサスペンションを痛める原因となりますし、タイヤにも耐荷重の上限が定められていますので、その範囲内に収まる重量にしておかなければいけません。
タイヤの空気圧の不適切な管理
タイヤの空気圧が低すぎると、タイヤの変形が大きくなり側壁が地面と接するようになります。
側壁はゴムが薄い部分ですので、裂けたり穴が空いたりして内部のチューブも傷つけパンクの原因となります。
一方、空気圧が高すぎると、タイヤが過剛性化して、振動や衝撃を吸収する能力が低下し、パンクのリスクが高くなります。
パンクした場合の対処法
ツーリング先でパンクしてしまった場合、どのように対処したらいいのか解説します。
ここで解説する内容は、予備部品や工具が揃っている場合を想定しています。
あとでツーリングにいつも持っていると良いものをリストアップしますので、まずはどんな風にパンクに対処したらいいのかを解説します。
まずは安全確保
パンクしてしまった場合には、安全に停車して路肩までバイクを押して移動します。
まずはとにかく安全確保。
他の交通の邪魔にならないような場所に移動します。
そして、その後の作業が安全にできるようなスペースがあればなお良いですね。
車道上や見通しの悪いカーブの先などは危ないのでやめておきましょう。
パンク修理剤での応急処置(お勧めしません)
最も手軽な修理は、パンク修理剤を使うことです。
パンク修理剤には液体ゴムとガスが入っており、これらを直接チューブ内に入れることで内部から穴を塞ぎ、ガスが膨らむ力でタイヤを膨らませます。
しかし、この修理方法にはいくつか問題があります。
- タイヤの接地面の小さな穴の場合のみ有効
- 一回のみの使い切りで、一度でも使用すると残りは使用不可となる
- あくまで応急処置に過ぎず、そのままツーリングを続けるのは困難
- その後に専門店で修理を依頼した場合、この修理をしているとかなり嫌がられる
パンクの原因は様々ですから、小さな釘を踏んだくらいの穴なら塞げるかもしれませんが、裂けたり大きく穴が空いている場合、タイヤの側壁に穴が空いている場合、タイヤそのものが劣化してチューブを傷つけている場合などには全く効果がありません。
チューブ内部で運よく液体ゴムが穴を塞いでくれるか否かが、修理が成功するかどうかの分かれ道です。
また、塞がった穴は非常に薄いため、その後のツーリングなどもっての外です。すぐに最寄りの修理店に向かいましょう。
さらに、うまく穴が塞がらなかった場合には、液体ゴムはチューブからタイヤに漏れ出て、ベトベトになります。
これが修理店が嫌がる原因で、下手をするとチューブだけでなくタイヤまで交換しなくてはいけなくなります。
以上の理由からあまりお勧めできる方法ではありません。
チューブの交換
根本的にパンクを修理したいなら、チューブそのものを交換する方法をおすすめします。
穴の空いた部分をパッチで塞ぐ修理方法もありますが、修理経験が少ないとパッチの密着度や強度に不安が残ります。
バイクのパンクは、ほとんどがリアタイヤになりますが、パッチ修理にしてもチューブの交換にしても、タイヤを外すことになると思います。
もちろん慣れた人ならタイヤを車体から外さずにパッチ修理も可能ではあるのですが、それもカブなどの小型バイクの場合に可能かもという程度です。
いずれにしてもタイヤを外してしまうのならば、パッチ修理よりもチューブ交換をした方がその後の安心感が違います。
デメリットとしては、作業工程が多いことと、必要な資機材を持っていかなければならないことです。
リアタイヤのパンク修理に必要なもの一覧(ハンターカブの場合)
ツーリング先で、パンク修理を試みる場合に必要なものについて解説します。
出先での修理となれば、持っていける工具類は限られてきます。
ここで紹介するのはできるだけコンパクトに持ち運べるものをご紹介します。
私がハンターカブに乗っているため、ハンターに特化したラインナップですが、カブシリーズであれば殆ど同じと思います(念のためレンチサイズやタイヤサイズにご注意ください)。
交換パーツ | タイヤチューブ |
リムバンド | |
レンチ類 | ラチェットハンドル(差込角9.5mm 3/8インチ) |
ソケットセット(19mm)(差込角9.5mm 3/8インチ) | |
コンビネーションレンチ(10, 12, 14mm) | |
トルクレンチ(余裕があれば)(差込角9.5mm 3/8インチ) | |
チューブを外す道具 | タイヤレバー |
虫回し | |
タイヤ組みつけの道具 | ビードワックス |
エアーポンプ | |
あると便利なもの | 作業用手袋 |
ショップタオル | |
メンテナンススタンド |
タイヤチューブなどの交換パーツ
何はともあれ、穴の空いたチューブを交換するためには、交換するチューブが必要です。
ハンターカブの場合、標準のタイヤサイズは17インチで「80/90−17」インチ表記なら「2.50−17」です。
リムバンドは異常がなければそのまま使い回しができますが、硬化していたりすると交換時に破損することもあります。
コンパクトなパーツなのでチューブとセットで持っていると助かる場面が多いです。
レンチ類
リアタイヤを外すために、車軸(アクスルシャフト)を緩めて引き抜く必要があります。
そのためには、19mmソケットのラチェットハンドルと、14mmのメガネレンチが必要になります。
それと、チェーンの張り調整のために8mmと10mmのスパナが必要です。
スパナ・メガネレンチは、セットになったコンビネーションレンチセットを一つ持っておけば十分でしょう。
ラチェットハンドルは、一番力をかける工具になりますので、できればハンドル部分が長い(全長30センチくらい)と扱いやすくなります。
アクスルシャフトのナット側の締め付け規定トルクは59Nmです。
もしお金と荷物の積載に余裕があれば、トルクレンチを持ち運び用に持っておくと安心ですが、トルクレンチは繊細な構造をしているため、バイクに積みっぱなしにしていたり、硬いナットを緩めるのに使っていると、だんだんとトルクを正確に測れなくなってきますので、サブ的にもう一本あればで良いと思います。
パンクの応急修理ということでトルクレンチは無くとも、とりあえずラチェットで締め付けておいて、後ほどしっかりと締め付け調整を行うのでも問題はないと思います。(とはいえ、締め付け過ぎや緩み過ぎでは危ないので注意は必要です、普段から慣れておくことが理想ですね)
チューブを外すための道具
タイヤレバーは、3本あったほうが使いやすいこともありますが、コンパクトさを求めるなら2本でも作業をすることができます。
慣れないうちは3本使ったほうが良いかもしれません。
リムプロテクターはホイールリムを作業中の傷から守るものですが、慣れていないと邪魔に感じると思います。
忘れがちなのが、虫回しです。
これがないとチューブの空気を抜くのに苦労します。小型の道具なのでタイヤレバーと一緒の袋に入れておくと良いですね、なくしがちですが…。
タイヤ組みつけに必要な道具
ビードワックスはタイヤをリムにはめ込む際に、潤滑を良くするものです。
作業のしやすさが段違いなので、これを忘れると苦労します。
タイヤに空気を入れるためのポンプは必須アイテムです。
キジマから出ているエアポンプはコンパクトでパワフル、規定圧に達すると自動でストップしてくれます。
最近バージョンアップした商品が出されましたが、初代機とハードは同じもので、付属品が使いやすく変更されています。
パンク時だけでなく、林道を走る際にタイヤ空気圧を調整する際など重宝してくれます。
あると便利な道具
作業用手袋は怪我防止のためにぜひ一双バイクに入れておきましょう。汚れ防止にもなります。
ショップタオルは定番品ですね、汚れたパーツを拭いたり、ビードワックスを塗り広げたりと、何かと便利な使いすてウエスです。
分厚いキッチンペーパーのようなものですが、かなり丈夫です。
1ロールのままでは嵩張るので、必要量を巻き取ってコンパクトに折りたたんでおくと良いです。
バイクのパンク修理する際には、センタースタンドを立ててバイクを固定しますが、リアタイヤの作業をする際には、前輪荷重で保持しておく必要があります。
荷物をハンドルに引っ掛けて前荷重にして置けば事は足りますが、より安心して作業をするためにはメンテナンススタンドを利用すると良いです。
スイングアームの下部に取り付けて固定するだけですので手間要らずですし、コンパクトで持ち運ぶのにも苦労しません。
スペアチューブも工具もない場合にはロードサービスを呼ぶ
これまで解説してきたのは、ツーリング先にパンク修理のための工具類を一式持って行った場合の対処法です。
備えあれば憂いなしと言いますが、実際はなかなかいつも工具類を全部揃えて持っているという状況は難しいですよね。
そうなるとロードサービスを呼ぶしかありません。
任意保険に加入していれば、ロードサービスが付随してついてくることも多いので、一度自分の契約内容をしっかり確認しておくと良いですね。
ただ、任意保険に付随するロードサービスは、トラブルが起きた場所周辺の修理工場まで持っていくのがせいぜいなので、自宅や自宅近くのいつものバイクショップまで持って行こうとすると、高額な費用がかかってしまいます。
修理がすぐに終わればいいのですが、その日のうちに持って帰れないとなると、後日取りに行くことになります。
そんな時に、バイク専門の距離無制限のロードサービスに加入しておけば、かなり心強いですよ。
ツーリング先でパンクしてしまった場合、かなり動揺する状態になりますが焦らず冷静に対応を考えましょう。
間違ってもパンクしたまま走行を続けようなんて思わないでください、バイクの車体そのものまでダメにしてしまう可能性がありますし、何より危なすぎますから。
「自分だけはパンクしない」というのは幻想です。
普段から、もしパンクした場合にはどうするのかを頭の中でシミュレーションしておくことも大切です。
今回は以上です、ツーリングにこの先行かれる方はご安全に!