こんにちは、あだハンです。
今回は、キャンプツーリングにとても重要なアイテム「チェア」の選び方についてお話します。
- これからキャンツーをやる人でチェア選びに困っている人
- 今使っているチェアになんとなく不満を感じている人
チェアは実はキャンプギアの中で最も慎重に選びたいギアの一つです。
キャンプ中はずっとチェアに腰掛けて過ごしている訳ですから、その快適性はキャンプそのものの快適性に影響します。
チェアが自分の体型と合っていない、使い勝手がイマイチなどの不満を抱えていると、キャンプがしんどく感じてしまい、楽しく感じられなくなってしまうかもしれません。
本記事では、どんなチェアを選べばキャンプツーリングが楽しくなるのか、その選び方についてご紹介します。スタイルに合ったオススメのチェアもご紹介しますね。
キャンプのスタイルを知る
キャンプチェアを選ぶ際に、まず自分のスタイルがどれに当てはまるのかを知る必要があります。
チェアの快適性は、チェア周りのギアとの調和も影響するからです。
つまり、椅子の地面からの高さ(座高)とテーブルの高さが合っていなければ、使いにくくて仕方ありませんからね。
椅子だけが高くて、テーブルが地面スレスレだと物を取るのも大変だし、逆に椅子が低くてテーブルが高ければ、腕が疲れてしまいます。
まだ、自分がどのスタイルが好みなのか分からないという人は、次の項目を参考にしてみてください。
ハイスタイル
座高が高いスタイルです。(30〜40センチかそれ以上)
自宅のリビングで過ごすような高さに近いです。
ハイスタイルのメリットは、立ったり座ったりの動作が楽なことで、料理などの作業も楽にこなせます。
足腰が弱い人や、体型(特にお腹周り)の大柄な人にはこのスタイルが合っています。ハイバックと言われる背中や頭までサポートしてくれる背もたれがあるタイプも多いのが特徴です。
また、地面から高さがあるので、砂や雨の影響を受けにくいというメリットもあります。
デメリットとしては、全体的に荷物が大きくなりがちで積載容量を食うことです。四輪車ならいざ知らず、バイクへの積載は苦労しそうです。
メリット | デメリット |
---|---|
立ったり座ったりが楽 背もたれでゆったりくつろげる | 荷物が増える |
ミドル・ロースタイル
座高が地面に近いスタイルです。(20〜30センチ程度)
コンパクト性能と使い心地のバランスがもっとも良いスタイルで、キャンプツーリングでは定番スタイルといえます。
定番スタイルですので、数多くのメーカーから様々な商品が発売されており、座高も20センチ以下から30センチ程度のミドルスタイルまで本当に様々で、一番選ぶのに苦労するスタイルです。
座高が低いタイプの場合、あぐら椅子の形状となり、バイク用のブーツを履いていると足が辛くなってきます。
メリット | デメリット |
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コンパクト性能と座り心地のバランスが良い 商品が豊富 | 商品選びに苦労する |
地べたスタイル(お座敷スタイル)
地面にあぐらをかいて座るスタイルです。
グランドシートにマットや座布団を敷いたり、座椅子を使う場合もあります。
このスタイルでキャンプをすると、手練れ感や玄人感が出てかっこいいですね。
座り込んで動かないスタイルですので、洗練されたサイトレイアウトが必要になってきます。
何度も立ち上がるのは大変ですから。
普段の生活で床に座ることがほとんどない人には、なかなか難しいスタイルではないでしょうか。
メリット | デメリット |
---|---|
荷物が少なくて済む 手練れ感が出てかっこいい | 慣れていないと足腰が辛くなる |
ハイブリッドスタイル
名前をつけるほど大袈裟なものではありませんが、私の場合は地べたスタイルとミドル・ロースタイルの両刀使いです。
食事を作ったり、作業する時には地べたスタイルでじっくり行います。
コーヒーを飲みながら景色を見たり、星空を眺めたり、そして焚き火を囲みながら仲間とお酒を飲む時には、ミドル・ロースタイルのチェアで長時間ゆったりと過ごします。
このスタイルもそうしようと思ってできたわけではなく、元々が地べたスタイルでやっていたのでテーブル周りのギアが全部地べたスタイルで、時には足を投げ出してゆったり高めの椅子に座りたいという欲求から苦肉の策でできたスタイルです。
コーヒーやビールを片手に椅子を移動するだけでキャンプサイト内どこでも座れるので、仲間のテントにお邪魔したり、景色のいい場所に移動したり使い勝手はいいですね。
キャンプツーリングで気になるチェアの機能性
キャンプのチェアのスタイルが決まったら、次はどんな機能性に注目していけば良いのかをご説明します。
キャンプギアでは全ての機能を網羅するのはなかなか難しく、機能性が高くなればお値段もそれなりに高くなりますので、自分にとって一番必要な機能は何かという優先順位をつけておくと選びやすくなります。
目の肥えたキャンパーたちがどんな点に注目してチェア選びを行っているのか、見ていきましょう。
強度
チェアはユーザーの身体特徴により最適なものが変わります。
強度もその一つ。
体重の重軽で使えないチェアも出てきます。
それぞれの商品にはほとんどが耐荷重が設定されていますので、体型が大柄な人はこの数値は見た方がいいでしょう。
コンパクト設計のものほど耐荷重が低い傾向にあります。
以前は耐荷重80kgという低いものも見受けられました(無名中華製品など)が、最近は100kg〜150kgのものが多いので、ほとんどの人は問題ないと思います。
座り心地
多くの人がもっとも気になるところは、この座り心地でしょう。
快適性を実現するためのポイントはいくつかあり、その組み合わせで決まるため、一つの指標では測れません。
一番良いのは、キャンプ用品店で実際に座ってみることです。
キャンプ用品店に目的の商品がなかった場合にはネットレビューを見るしかないのですが、その場合には可能な限りレビューする人の身長・体重に注目してみてください。
同じ体型の人がどう感じたかが重要です。
生地の素材 | ツルツルのナイロン生地よりもオックスフォード生地やポリコットンの方が◎ |
座高 | 自分自身で最もしっくりくる高さを |
座面の広さ | 窮屈に感じるのは避け、奥行きもしっかりお尻を支えてくれる程度のものを、角度や深さも重要 |
背もたれ | 背中を支えてくれる大きさのものを、できれば景色や星空を眺めるのに丁度良いものを |
通気性 | 春夏は蒸れ防止にメッシュ生地が良いが、冬は冷気を遮断してくれる方が◎ |
安定性 | 足が地面に埋もれてしまったり、構造的にぐらつくものは座り心地が悪い |
難燃性
キャンプでは、焚き火の近くでチェアに腰掛けてくつろぐシーンも多いもの。
そこで気をつけたいのが焚き火の火の粉。
薄いナイロン生地では、すぐに溶けて穴が空いてしまいます。
ポリコットン製やオックスフォード生地など、火の粉に強い生地を使用しているチェアなら、焚き火近くでのくつろぎタイムも安心できます。
直火が長い時間当たれば、どんな生地でも焦げたり穴が開くのでそこは気をつけて下さい。
拡張性
チェアには、小物入れや袋状になった収納ポケットなどがあるタイプがあります。
一旦チェアに座れば立ちたくないのは道理です。
スマホやライター、火吹き棒などちょっとした時に手に取りたい時、チェアに収納スペースがあれば楽ちんです。
さらに、後付けでツールボックスや小物入れバッグなどを取り付けられるようにベルクロやマジックテープが取り付けられるように工夫されたチェアもあります(モールシステム対応など)。
DIYでチェアの改造なんてのも楽しいですから、拡張性についてもチェア選びの一つの基準にすると良いかもしれません。
コンパクト性能
キャンプツーリングで使うチェアなら、コンパクト性能、特に収納時のサイズについてしっかりと吟味する必要があります。
バイクへの積載方法や積載容量により、どれくらいの大きさまで運べるかは変わってきますが、原付ツーリングならヘリノックスのチェアワンのようなコンパクトなものが良いですし、大型バイク、またはハンターカブのようなリアボックスを積載できるようなバイクであれば、座り心地の良いもっと大きなチェアが積載できます。
「チェアだけは譲れないから、多少大きくてもぶら下げてでも持っていく」という強者もいますから、自分自身が一番気に入ったチェアを、なんとか工夫して持っていくのもアリだと思います。
収納サイズはコンパクトなものがより良いに決まっていますが、収納サイズだけに捉われて、機能性や座り心地を犠牲にするのは、後々買い替えの原因ともなりかねません。
キャンプツーリングでよく使われているチェア
カーミットチェア
メイドインUSAのチェアで、バイカーによって作られたハンドメイドの製品です。
オシャレキャンパー御用達で、大変人気なため価格が高騰しています。
木製のフレームは一本一本取り外しができてコンパクトに収納できるのですが、最初は組み立てるのが大変という声が多いですね。
座り心地は普通ですので、布を別のものに交換したりしてカスタムするのが流行っています。
雰囲気を重視したい人やとことんカスタムしたい人向けの製品です。
ヘリノックス
これさえあれば誰も文句は言わない製品です。
座り心地・強度・コンパクト性能に定評があります。
ヘリノックスに使われているフレームはアルミ合金ですが、こちらのアルミ合金はテントポールで有名な韓国のDAC社のTH72Mという柔軟性と剛性に優れたアルミ合金を使っています。
このフレームがあってこそ、ヘリノックスの座り心地とフレームのシンプルなデザインが可能となっています。
さらに座り心地を追求したハイバックタイプのチェアツーやサンセットチェアなども人気があります。
デイトナ
バイク用品を数多く出しているデイトナも、キャンプツーリング用にキャンプチェアを発売しています。
ヘリノックスと同じタイプですが、足元に収納バッグを装着できるので、袋を無くさないですみます。
値段もかなりお安めなのがありがたいですね。
もちろんバイクへの積載を考えたコンパクト設計です。
収納バッグはコンプレッションベルトを利用してバイクのリアバッグなどにも取り付けが可能で、型崩れしにくいしっかりした作りなので、外付けしてもスッキリと見せることができます。
ポータブルアウトドアチェアは背もたれなんか必要ないという人向けの製品です。
コンパクト性能で言えば当然ピカイチ。
サブの椅子として持っていくのも大いにアリですね。
DOD
私が超お気に入りで使っているのが、DODのスゴイッスです。
収納時のコンパクト性能はかなり劣るのですが、そのほかの機能面がダントツに良いんです。
- 座面の広さ
- 個別に高さ調節ができる脚(前後の足の長さを変えて座面の角度調節が可能)
- 火の粉に強いコットン素材
脚を全て折り畳んでしまえば座高18cmのあぐら椅子スタイル、脚を全て伸ばせば座高42cmのハイスタイルとなります。
また、前後の足の長さを変えれば前屈みの料理・作業スタイル、思いっきり後にもたれかかる星空スタイルにもなるんです。
サイドポケットはもちろんのこと、バックポケット、キャリーバッグも付属しています。
キャンプツーリングでのデメリットといえば積載の点ですが、キャリーボックスを使えるハンターカブのようなバイクの場合にはボックス上に乗せて他の荷物の間に挟み込むこともでき、思ったよりも邪魔にはなりません。
オススメチェア比較
私がキャンツーに良さそうだなと思う製品を比較してみました。
ヘリノックスのチェアワンはこれまで大ヒットしてきた製品ですので、同じような製品が様々なメーカーから発売されていますから正直言って比較するのはかなり大変です。
中華ブランドからも数多く出ていますし、ワークマンやホームセンターでも取り扱いがありますしね。
本家チェアワンとバイク用品で有名なデイトナとの比較をしてみました。
チェアワンに関しては、現在公式ではチェアワンホームという新商品に取って代わっています。
今回のヘリノックスのデータはチェアワンホームのものを乗せており、価格も以前のチェアワンよりも6千円ほど高くなっていますので、以前のものが欲しい人はアマゾンから在庫分を買うと良いと思います。
カーミットチェア(Kermit) | チェアワンホーム(Helinox) | コンパクトアウトドアチェア(デイトナ) | スゴイッス(DOD) | |
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使用時サイズ | 53×61cm | 51×52.5×65cm | 49×53×68cm | 60×66×69cm |
収納時サイズ | 67×11×16㎝ | 38×11×10㎝ | 37×12.5×12cm | 46×39×11cm |
座面高 | 32cm | 33.5cm | 36cm | 18-42cm |
重量 | 約2,500g | 1,050g | 1,100g | 2,300g |
耐荷重 | 158kg | 145kg | 120kg | 100kg |
素材 | オーク材・アルミ・スチール/1,000デニールナイロン | アルミニウム合金(TH72M)/ポリエステル | 超々ジュラルミン/ポリエステル | アルミ合金/コットン |
価格帯 | 48,400円 | 18,480円 | 5,700円 | 9,430円 |
オススメ度 | ★★⭐︎⭐︎⭐︎ | ★★★⭐︎⭐︎ | ★★★⭐︎⭐︎ | ★★★★⭐︎ |
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お気に入りチェアでゆったり過ごす至福の時間
キャンプでのチェア選びは、製品が豊富すぎて選ぶのは本当に大変です。
実際に座ってみてしっくりくるものを選ぶのが一番良いのですが、お近くにキャンプ用品店がない方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
価格帯が1万円前後のものを買えば、十分な性能があると思います。
数万円もするチェアは、本当にこだわりがある人向けですね。
お気に入りのチェアでくつろぐキャンプは本当に至福の時間です。
大自然の中でただ座っているだけで、最高の時間が送れます。
雄大な山々をただ眺める、パチパチと弾ける焚き火をただ眺める、酒を舐めつつ友人と語り尽くす。
ただ座るという行為がエンターテイメントになるなんて、キャンプってすごいですね!